医療倫理とモラルハザード
こんにちは、t-nakaです。ついに、私がたまにいっている僻地の当直先のところにも全く別の案件で救急搬送されてきた若年女性を念のため調べたらコロナ陽性という事案がおきました。ご家族が1-2週間前から風邪症状だったけど普通に社会活動をしていたとのことで、おいって感じですけど、風邪の症状が出たら活動を制限するか検査をして偽陰性・偽陽性はありますが、白黒つけないとになってしまいましたね。今回も横道にそれます。
さて、自宅療養者も多くなり、いよいよ40代-50代でも亡くなる疾患となってきたCOVID-19ですが、妊婦の搬送問題等も起こりましたね。やはり、ここでも重要なことは医療倫理になるかと思います。ほかの早期新生児の感染のリスクを負ってまで対応する必要があったのか、それとも今回の件は仕方ないのか。ようやく対策を取り始めましたが、はっきりいって事前に対策をとってくれないのが医療の現場です。そもそもコロナ前ですらどんどん患者を回さないと経営が安定しないですから…そんな余力は残しておけないのが現状でしょう。COVID-19に対応できるNICUを準備するために、本来NICUで管理すべき患者は減るわけですからね。妊婦を特別視する人もいますが、同じ医療のリソースならば、コロナ感染した妊婦1人=ADLが自立しているコロナ感染のホームレス3人であれば、どちらを優先すべきなのでしょうかね?命の重さは等しいのであれば、答えはいうまでもないのですが、こういった議論も本来は必要なところです。
さらに、例えば、NICUの1床をコロナ患者対応にしなくてはいけなかったとしたら、3床分のリソースを割かなくてはいけないかもしれない、コロナの新生児1人救うために残りの3床分は犠牲になっても仕方ないと割り切れるか、3床分結局使用しなければコロナ新生児を救えましたねとなりますが、3人分犠牲にしたらそれは正しいとなるのでしょうか。それとも、そういった余力を増やすために一時的に増税したりするのは一般の理解が得られるのでしょうか。他の業種の人の多くから、医療職は解雇されない上にさらに手厚くすることに賛同得られるとは思わないのは自分だけではないでしょう。
医療崩壊の次は確実のモラルハザードが問題になってくると思います。いわゆる直来って奴や嘘をついて医療機関を受診したりすることです。残念ながら日本は国民皆保険なので、モラルがない人ほど逆に医療のリソースを利用しやすくなってしまうのではという危うさがあります。コロナ患者が相談もなく勝手に病院の外来にきました、倒れています、コードブルーがなりました、どうなるでしょうか?病院内に入ってきて倒れている状況を作られてしまいますと、普通は対応せざるを得ないのですが拒否してもよろしいのでしょうか。今は2類感染症だからそういった患者も対応できないと言い訳ができそうですが、5類感染症になってしまうと応召義務に基本的に応じなければいかなくなる可能性もあり、救急やコロナ以外の医療も完全にマヒしてしまいますね。
7月の動き
上記でコロナの予想をしましたが、予想より増加は遅いもののピークにも達してはいない状況です。私の予想ではピークアウトし始めるかなと思いましたが、まだまだ全体の意識が低いのでしょうか、なかなか減りませんね。ここで学校が始まるのでさらなる感染増加とモラル崩壊による利己的な行動、社会不安がおきるのではと思います。個人的にはやはり感染のピークは4倍の東京1万、全国4万だと思うな~。